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米国株と米国遺産税:6万ドルの基準と日米相続税条約による按分控除

米国株を直接保有している人が亡くなると、日本の相続税とは別に米国の連邦遺産税の対象になる可能性があります。ただし日本の居住者には、日米相続税条約(正式名称「遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約」、昭和30年条約第2号)による救済があります。

誰が対象になるか

IRSによると、米国市民でも米国居住者でもない人(NRNC)が亡くなった場合、米国所在の資産に米国遺産税が課されます。米国法に基づいて設立された会社の株式は、株券がどこに保管されていても米国所在の資産とされます。日本の証券会社経由で買った米国株や米国籍ETFも含まれます。

6万ドルの申告基準と13,000ドルの控除

Form 706-NAの記載要領によると、死亡時の米国所在資産の価額(一定の贈与を加算)がUS$60,000を超える場合、遺言執行者は原則として死亡後9か月以内にForm 706-NAを提出しなければなりません。非居住外国人の統一税額控除は原則として最大US$13,000で、税率表上ちょうどUS$60,000分の税額に相当します。

重要

米国所在資産がUS$60,000を超えると、税額が0になる場合でも、遺言執行者は原則として死亡後9か月以内にForm 706-NAを提出する必要があります。

統一税率表(IRS Form 706 Table A)

課税遺産額(超)(以下)下限額に対する税額超過部分の税率
$0$10,000$018%
$10,000$20,000$1,80020%
$20,000$40,000$3,80022%
$40,000$60,000$8,20024%
$60,000$80,000$13,00026%
$80,000$100,000$18,20028%
$100,000$150,000$23,80030%
$150,000$250,000$38,80032%
$250,000$500,000$70,80034%
$500,000$750,000$155,80037%
$750,000$1,000,000$248,30039%
$1,000,000—$345,80040%

日米相続税条約による按分控除

Form 706-NAの記載要領では、日本との条約が、内国歳入法2102条(b)(3)(A)の適用対象となる条約として挙げられています。同条は、条約上必要な範囲で、統一税額控除を「その年の適用控除額(applicable credit amount)× 米国所在の遺産 ÷ 全世界の遺産」とすると定めています。IRSによると、2026年に亡くなった人の基礎控除額は1,500万ドルで、これを税率表に当てはめた控除額はUS$5,945,800です。

計算例

全世界の遺産がUS$1,000,000、そのうち米国株がUS$300,000の場合:

ただし条約を使う場合でも、Form 706-NAの提出や全世界の資産の開示が必要になるのが一般的です。

ポイント

当サイトの計算機は統一税額控除の按分だけを簡易的に計算しています。控除項目の按分、日本の相続税との二重課税調整、条約の適用要件の判定は行っていません。

実務上の注意

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出典

  1. IRS:非居住外国人の遺産税に関するFAQ
  2. IRS:Form 706-NA 記載要領(2025年9月改訂)
  3. IRS:Form 706 記載要領(Table A 統一税率表)
  4. 26 U.S. Code § 2102(条約による按分控除 (b)(3)(A)、LII)
  5. IRS:2026年のインフレ調整(基礎控除額 1,500万ドル)
  6. 国立国会図書館 日本法令索引:日米相続税条約(昭和30年条約第2号)

情報確認日:2026年10月17日。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法律・投資の助言ではありません。

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